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矯正用インプラントの種類と用途~スクリュータイプとプレートタイプの違い~

矯正治療では、積極的に動かしたい歯と動かさずにその場に留めておきたい歯があります。

通常、動かしたくない或いは動かさない歯を固定源(アンカー)として、位置の悪い歯を動かして歯並びを整えていきます。

この場合、ゴムやコイルなどで歯を動かすと、必ず作用・反作用の法則に基づきお互いの歯が動きます。

動かしたくない歯までも動くのが、通常の矯正治療では起こるのです。

これを解決できる方法として、矯正用のインプラントを用いたインプラント矯正があります。

矯正用インプラントには大きく分けて2通りのものがあります。

①スクリュータイプ(ネジタイプ)

②プレートタイプ

 

スクリュータイプ・インプラントアンカー。直径1.2~2.0mm、長径6~10mm程度と細くて短い。基本的に歯肉を切開することなく骨に設置でき、痛みや腫れはほとんど出ない。インプラントの直径が細いため、部位によってはしばしば緩んで脱落することがある。

 

スクリュータイプ・インプラントアンカーの使用例。設置は5分とかからず、患者さんの負担はほとんどない。固定力は強くないため緩みやすく、多数歯の移動には向いていない。

 

スクリュータイプ・インプラントアンカーの口蓋への使用例。2本のアンカースクリューを固定源として用いることで、上顎すべての歯の遠心移動を行う(PLAS:パラタル・レバー・アーム・システム)。複数本のアンカースクリューを応用することにより、多様な歯の移動が可能となる。

 

プレートタイプ・インプラントアンカー。骨の表面に2~3本のネジで固定する。固定力は非常に強固で、多数歯の移動や臼歯の遠心移動、圧下にも容易に対応でき、矯正治療期間の大幅な短縮や難症例の改善が見込める。設置は歯槽粘膜を大きく切開剥離するため、術後に腫れや痛みを生じやすい。

 

プレートタイプ・インプラントアンカーの使用例。臼歯部を一塊で遠心(後方)に移動している。固定源として強力で、緩むことはほとんどない。治療期間中、しばしば細菌感染により腫れることがあるため、衛生状態を良好に保つ必要がある。

 

使用する矯正用インプラントや適応部位は、その症例に応じてケースバスケースです。

なるべく患者さんの負担が少ないこと、また治療上の有益性を考慮して選択します。

不明な点は、担当医に遠慮なく相談すると良いでしょう。

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日付:   カテゴリ:コラム, 矯正歯科

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