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歯髄壊死による重度歯性上顎洞炎の治癒例~精密に根管治療を行う重要性~

上顎の臼歯部の上方には、上顎洞という副鼻腔が存在しています。

日本人は上顎洞が広く、特に上顎大臼歯の根尖(歯根の先端)は上顎洞に近接あるいは上顎洞に突出しているケースが多く、根尖病巣(歯根の先端部の炎症:慢性根尖性歯周炎)を生じると歯性上顎洞炎を併発するリスクが非常に高いです。

根尖病巣を生じる原因は、主に虫歯や虫歯治療から生じた歯髄炎、歯髄壊死、不適切な根管治療などです。

上顎大臼歯は非常に複雑な歯根形態をしており、また視野や器具の操作性が悪いため、根管治療の難易度が最も高い部位です。

根管治療の成否は、上顎洞炎の罹患や歯の保存を決定的に左右します。

 

我が国の保険治療での根管治療の成功率は30~50%ほどとされていますので、保険治療で難しい上顎大臼歯部の根管治療を受けた場合、歯性上顎洞炎を生じるリスクは高いと考えられます。

根管治療は、初回治療の成功率が高いものの、再治療では成功率は大幅に低下します。

このことから、イニシャルコストはかかりますが、大臼歯特に上顎の大臼歯の根管治療は最初から自費治療でお受けになるのが賢明だと思います。

 

初診時レントゲン。右側第一大臼歯の痛みと歯茎の腫れを主訴に来院。右側顔面の疼痛および後鼻漏、鼻閉を訴えていた。当該歯は虫歯治療がしてあり、大きなコンポジットレジンが歯髄付近まで充填されていた。根尖部には黒いレントゲン透過像を認める。

 

初診時CT画像。当該歯の根尖部には根尖病巣と思われる黒いレントゲン透過像(赤⇒)を認める。上顎洞は上方まで白く不透過性が亢進しているのが分かる(黄⇒)。虫歯治療から生じた慢性根尖性歯周炎から継発した歯性上顎洞炎と診断し、根管治療をを行うこととした。

 

根管治療後レントゲン。根尖部まで緊密に根管充填されているのが分かる。臨床症状はすべて改善した。

 

根管充填後CT画像。根管治療を開始して一月後には上顎洞内部は正常な透過性を認め(黄⇒)、顕著な上顎洞炎の改善を認める。根尖病巣は縮小している(赤⇒)。

 

根管治療後1年。根尖部のレントゲン透過像は完全に消失し、根尖病巣は治癒している。

 

根管治療後1年のCT画像。初診時に認めた上顎洞内部の不透過性が改善し、正常な黒い含気腔を呈する(黄⇒)。根尖病巣も完全に治癒し、黒い透過像は消失し、骨の良好な再生を認める(赤⇒)。

 

歯性上顎洞炎は、歯を正しく治療すれば治癒することは多いです。

しかしながら、鼻腔と副鼻腔を繋げる自然孔が閉塞していたり、鼻中隔の湾曲などにより鼻腔の換気が悪いようなケースでは、歯の治療だけでは改善しないこともあります。

そのようなケースでは、耳鼻科との連携治療が必要になります。

いずれにしても、上顎洞炎の原因が歯にあるのか、鼻にあるのかを正しく診断することが

重要となります。

治療費用:精密根管治療(大臼歯)¥99,000

ファイバーコア¥22,000

オールセラミッククラウン¥132,000

治療期間:2か月

治療上のリスク:根管治療の成功率は100%ではありません。病態によっては耳鼻科との連携が必要になります。

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日付:   カテゴリ:コラム, 根管治療

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