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顕著な歯根吸収でも、歯を保存できる可能性はある~侵襲性歯頚部吸収の根管治療例~

虫歯や外傷の既往が無くても、歯根吸収(虫歯ではないのに歯根が溶けること)が起こることが稀にあります。

歯の痛みや温冷でのしみ、歯茎の腫れなどの症状を呈し、レントゲン撮影にて偶然発見されることが多いです。

歯根吸収の原因として多いのは、歯列矯正と歯の外傷です。

歯列矯正では、主に歯根の先端が吸収され、歯根が短くなる現象が起こります。発現頻度は非常に高いですが、歯根吸収の程度が軽度であれば臨床上特に問題になることはありません。

歯の外傷は圧倒的に上顎前歯が多いです。

歯が外傷を受けると、受傷直後に歯槽骨骨折や歯の脱臼、破折、露髄(神経が露出すること)などを生じるほか、受傷後時間が経ってから歯の失活(神経が死ぬこと、歯髄壊死)や歯根吸収(外部吸収および内部吸収)などを生じることがあります。

歯の外傷の既往が無く、定期検診をきちんと受けていたにも関わらず、重度な歯根吸収が発見されたときには既に治療が困難で、抜歯を宣告されることがあります。

 

歯根吸収は

⑴内部吸収

⑵外部吸収①炎症性吸収②置換性吸収③侵襲性歯頚部吸収④一過性根尖破壊

に分類されます。

歯の外傷は原因不明のものも多く、歯の付け根に起こる侵襲性歯頚部吸収はその一つです。

 

初診時レントゲン。左側上顎第二大臼歯の温冷痛と歯茎の腫脹を主訴に来院。他院にて歯根吸収と診断され、抜歯を宣告された。口腔内では口蓋側歯肉に腫脹を認めるものの、虫歯は存在しない。レントゲンでも明らかな異常は認められない。

 

初診時CT画像。第二大臼歯の口蓋側(内側)の歯頚部(歯の付け根)に、歯の実質欠損とみられる顕著なレントゲン透過像(黒い部分)を認めた(→)。欠損は骨縁にまで達し、ほぼ歯髄にも到達している。予後の不安はあるものの、根管治療を行えば歯の保存が可能と判断された。

 

根管治療時レントゲン。まず銀歯と外部吸収部位の歯肉組織を取り除き、コンポジットレジンにて欠損部位を暫間的に充填した上で根管治療を行った。

 

根管充填後レントゲン。かなり深い位置に(上方に)コンポジットが充填されているのが分かる。

 

根管治療後CT画像。口蓋側の歯根吸収部位は骨縁までコンポジットレジンで充填されているのが分かる(→)。最終的には、ここまでクラウンで完全に被覆する必要がある。

 

歯根吸収は、その部位と大きさによっては抜歯が適応になります。

確実な診査・診断をするためにはCT撮影が不可欠です。

歯根吸収があっても、的確な診断と適切な処置を行えば、歯の保存が可能になることもあります。

まずはご自身の歯を保存することが可能か否か、経験豊富な歯科医に相談すると良いでしょう。

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治療費用:精密根管治療¥77,000~

治療期間:2週間

治療上のリスク:根管治療の成功率は100%ではありません。神経の無い歯は、歯根破折を起こすリスクが高まります

神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック
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日付:   カテゴリ:コラム, 根管治療

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