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カテゴリ: 根管治療

歯科医師が最もやりなくないと思う治療~上顎第二大臼歯の根管治療

以前、歯科医師が最もやりたくないと思う治療は何かというアンケケートがありました。

その第一位は、上顎第二大臼歯(上顎の一番奥の歯)の根管治療(神経の治療)という結果でした。

この結果は、歯科医師であれば誰でも頷けます。

なぜなら、治療が最も難しい場所だからです。

上顎の奥歯は、直接見ることが出来ず、かつ器具や手指が入りにくいため、治療は困難を極めます。

その中でも、根管治療は難易度が高く、きちんと正しく行うことは困難です。

ですから、保険の根管治療で上顎の第二大臼歯がきちんと治療されていることはほとんどありません。

 

術前。上顎第二大臼歯の疼痛を訴えて来院。インレー(詰め物)の下に大きな虫歯が残っており、歯髄炎を惹起した。抜髄(ばつずい:根管治療)が必要な状態。

 

根管治療中。根管にファイルを挿入し、根管の長さと方向を確認しているところ。根管が湾曲しており、ファイルが斜めからしか入らないため、治療は困難を極める。

 

根管治療後。根尖(歯根の先端)までしっかりと根管充填されていることが分かる。このように正しくしっかりと充填されていることはほとんどない。

 

根管治療は、歯の基礎工事にあたる部分であり、ここがきちんと治療されていなければ、歯はいずれ中から腐ってダメになります。

歯が長く持つように正しく治療を行うには、十分な時間と良質な材料、高度な技術が必要で、このためにはコストが伴います。

どうか、ご理解のほどよろしくお願い致します。

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樋状根(といじょうこん)の根管治療は、難しい

樋状根(といじょうこん)とは、主に下顎の大臼歯の特徴的な歯根形態のことを指します。

樋状根は、その名の通り、歯根の断面が雨樋の形(C型)をしていることからこのように呼ばれています。

日本人における下顎第二第大臼歯での発現頻度は高く、全体の28.9%ほどであるという研究結果があります。

この樋状根は、特殊な形態をしており、根管の内部が扁平であるために、根管治療が非常に難しい歯です。

このため、樋状根では根管治療における失敗や予後不良がよく見られます。

 

典型的な樋状根。予後不良のため抜歯した。頬側からは歯根が1本に見える。

 

 

樋状根舌側。歯根の横に穴が開いているのが分かる(パーフォレーション)。樋状根の根管治療は難しいため、しばしばこのような失敗が見られる。

 

大臼歯の根管治療は非常に難易度が高く、治療の失敗は即抜歯になる可能性が高いと言えます。

ですから、根管治療をお受けの際には、歯科医院選びがとても重要なのです。

 

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根管治療後の痛みについて

根管治療後には、痛みを生じることが少なくありません。

特に、歯の神経を取った(抜髄;ばつずい)時、歯根の先端に病巣(根尖病巣;こんせんびょうそう)があるとき、根管の中に薬を入れたとき(根管充填;こんかんじゅうてん)などは、特に痛みを生じやすいです。

これは、歯根の先端部を治療器具や薬で刺激するためで、多くの場合一過性であるため心配はありません。

症状が強い時には、鎮痛剤を服用して様子を見ます。

 

左下6番の根管治療例。根管治療が不完全で、根管充填が歯根の先端まできちんとされていない。このため、歯根の先端部は炎症により骨が溶け、黒く透過しているのが分かる。大臼歯の根管治療は特に難易度が高いため、このような治療例が非常に多い。不完全な根管治療は歯をダメにし、将来抜歯になるリスクが極めて高い。

 

根管治療後。根管内部を完全に清掃・消毒し、根管充填を行った。歯根の先端部まで白くしっかりと根管充填されているのが分かる。根管充填後には、一時的に「根充痛;こんじゅうつう」呼ばれる痛みが出る場合が多い。これは、薬が歯根の先端までしっかりと詰まるために生じるが、自然緩解するので心配はない。

 

実は、根管治療時に痛みを生じないように処置をすることは簡単です。

歯根の先端まで触らなければ良いからです。

でも、これでは歯根の先端まで完全に清掃・消毒をすることは出来ないため、数か月~数年後に痛みや歯茎の腫れ、咬合痛(噛んだ時の痛み)を生じる可能性が高くなります。

 

きちんとした根管治療を行っている歯科医院では、治療前後の根管治療の状態をレントゲンを提示しながら丁寧に説明してくれるはずです。

これは、治療に自信があるからに他なりません。

そして、治療後に痛みが生じる可能性についてもきちんと説明されるでしょう。

場合によっては痛み止めを処方されるかもしれません。

正しく根管治療が行われた結果の痛みであれば、痛みは2、3日~1週間ほどで自然に緩解するので心配はありません。

もし、歯茎に腫れを生じるような場合には、抗生剤の処方が必要なこともありますので、担当の先生にご相談すると良いでしょう。

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難治性の根尖病巣~歯根肉芽腫と歯根嚢胞~

根尖病巣(こんせんびょうそう)とは、歯根の先端にできる病巣・病気のことを指します。

通常、健康な歯の内部には神経が通っており(これを歯髄(しずい)という)、歯の栄養と知覚を司どっています。

虫歯が大きくなったり歯の外傷によって、この神経の部分にバクテリアが入り込んだり、あるいは壊死(えし)したりすると、バクテリアやバクテリアが産生する毒素により、歯根の先端に炎症が起こります。

この状態を、根尖病巣と呼んでいます。

 

ところで、根尖病巣は不適切な根管治療でも生じます。

根管治療をしてある歯であっても、歯の内部(根管)をきちんと清掃・消毒していない、あるいはきちんと薬を詰めていない(根管充填していない)ことでも、根尖病巣を生じてしまいます。

 

根管治療は、一般の方が考えているよりも遥かに難しい治療であり、その技術の習得は簡単ではありません。

そして、わが国の健康保険制度にあっては、この根管治療の評価は極めて低く、きちんと治療を行おうとすればするほど不採算となってしまいます。

たくさんの患者さんを診ないと歯科医院の運営が成り立たない保険診療では、根管治療がきちんと行われていることはほとんどありません。

 

通常、根尖病巣は適切な根管治療を行えば治癒します。

しかしながら、何ら症状が無く根尖病巣が長期間放置されたような場合、より難治性の歯根肉芽腫しこんにくがしゅ)や歯根嚢胞(しこんのうほう)へと移行してしまいます。

歯根肉芽腫や歯根嚢胞では、外科的に病巣を取り除かなけらばならない場合もあります。

 

右側下顎小臼歯部の歯茎の腫れ。根管治療を数回行うも、頬側の歯茎の腫れが改善しない。難治性と判断し外科的に病巣を切除することにした。

 

根管治療をしっかりと行った後、歯茎を切開・剥離して病巣を取り除いた。

 

取り除いた小指の爪大ほどの歯根嚢胞。

 

歯根嚢胞の摘出後。歯茎の腫れは無事に治まっているのが分かる。

 

歯茎の腫れは、そこに炎症がある兆候なので、そのまま補綴(ほてつ:被せること)を行ってはいけません。

これは、歯周病であれ根尖病巣であれ同じことです。

仮に難治性であったとしても、手を尽くせば治る可能性はあるのです。

まずは、担当の先生と治療方針や予後についてしっかりとご相談されることをおすすめします。

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根尖病巣(こんせんびょうそう)による歯茎(歯肉)の腫れ

根尖病巣(こんせんびょうそう)とは、歯の歯根の先端部分に炎症が起こった状態を指します。

もともと、歯や歯根の中には歯髄(しずい)と呼ばれる歯の神経が存在し、これが歯の知覚と栄養供給を司どっています。

しかし、虫歯が大きくなり歯の神経を取ったり、大きな虫歯の影響で歯髄が壊死(えし:死んでしまうこと)してしまうと、歯の内部に入りこんだバクテリアやバクテリアが産生する毒素により、歯根の先端部分の骨を溶かし、やがて痛みや歯茎の腫れを生じるようになります。

特に、歯の神経を治療する根管治療は、歯科治療の中でも治療の頻度が高いものの、治療の難易度は極めて高く、その割に健康保険の評価が低いためにきちんとした治療が行われることは残念ながらほとんどありません。

根尖病巣は、この根管治療の不具合が原因で生じる場合が多いのです。

 

根尖病巣が原因の歯茎の腫れ。根管治療が正しくされていないために歯の中でバクテリアが繁殖し、歯槽骨を溶かして歯茎が腫れてくる。

 

根管治療後、ファイバーコアで支台築造を行った。根管治療を正しく行うことで根尖病巣は治癒へと向かい、歯茎の腫れも消失する。

 

セラミッククラウンによる補綴後。歯茎の腫れは完全に消失しているのが分かる

 

根管治療は、建築で例えるならば基礎工事にあたる部分です。

基礎工事をしっかり施工していないマンションは、いずれ傾いてダメになるのと同様に、歯も内部の根管治療をしっかりしなければ、やがて中から歯が腐敗しダメになります。

仮に根管治療に不具合があっても、すぐに歯茎の腫れや痛み、骨の吸収などの症状が出ることはありません。

数か月~数年経ってから歯槽骨が溶けて歯茎の腫れを生じるようになります。

 

根尖病巣は、じつは歯や歯周組織の病気だけに留まりません。

そこから発生したバクテリアやバクテリアが産生した毒素は毛細血管に入り、全身へと運ばれて行きます。

そして、他の臓器や組織に病気を生じる歯性病巣感染の原因になっているのです。

 

根管治療は、最初の治療がとても重要で、再治療になるほどその成功率は下がることが分かっています。

また、何度も根管治療をやり直すことは、歯にかなりの負担を強いるためにできません。

したがって、根管治療をお受けの際には特に歯科医院選びが重要といえるでしょう。

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根管治療は、歯科治療の中でも最も難しい治療です!~当院での根管治療に対するスタンス~

根管治療とは、歯根の中にある神経の管の治療のことを指します。

通常、虫歯が深くなり、しみたり痛みを生じる場合に、これらの症状を取るために行われる治療です。

したがって、歯に大きな虫歯があり虫歯を削った結果、歯の神経まで虫歯が到達していた場合には、虫歯治療の延長線上にあるこの根管治療を行うこととなります。

レントゲン診査などの術前診査で虫歯が深い場合には、あらかじめ根管治療(歯の神経を取ること)の必要性を説明してもらえるはずです。

もし、根管治療が必要であると判断されたならば、安易に近くの便利な歯医者で治療を済ませようとするのは得策ではありません。

 

なぜか?

それは、根管治療は非常に難易度の高い治療であるからです。

 

 

治療前のレントゲン写真。根管治療が不十分なため、根尖部(歯根の先端)の骨が溶け、レントゲン像で黒く透過しているのが分かる。歯茎の腫れや咬合痛がある。

 

根管充填後のレントゲン写真。歯根の先端まで真っ白く緊密に根管充填(薬を詰めること)されているのが分かる。このようにきちんと薬が詰められていることはほとんどない。

 

治療後1年6か月。根尖部にあったレントゲン透過像(黒い透過像)が消失し、骨が再生しているのが分かる。これで抜歯は回避された。きちんと治療をするためには、やはり時間やコストがかかる。

 

 

例えば、皆さんは難易度の高い治療、例えば癌の手術などを、十分な下調べをすることなく近所の病院でお受けになりますか?

答えは「No」のはずです。

 

では、なぜ歯の治療の中でも最も難しい治療である根管治療は、近くの夜遅くまでやっている便利な歯医者で治療をお受けになるのでしょうか?

根管治療は、歯の治療の基礎工事となるものであり、ここをきちんと治療をしてから歯を被せたりしないと、後々歯の中から腐敗して痛みや歯茎の腫れを生じ、やがて抜歯に至ります。

抜歯は、当然ながら、歯にとっては死を意味します。

 

歯は、皆さんにとってそれほど価値のないものなのでしょうか?

 

価値観は人それぞれなので、歯の一本二本無くても構わないという人もいるかもしれません。

でも、当院では、歯や咀嚼機能は、健康的な人生を歩むうえで非常に重要な役割を果たしていると考えております。

ですから、たとえ一本の歯であろうとも、簡単に抜いたり削ったり神経を取ったりすることはしません。

そして、そのような価値観を患者様と共有し、最善の医療を提供したいと考えております。

 

当院では、一日に多くの患者様を診ることは出来ませんが、歯と健康を大切されたい患者様とより良い医療および医療活動を育んで参りたいと考えております。

どうか、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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