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カテゴリ: 根管治療

治療した歯の歯茎が腫れるのはなぜか?~根尖病巣による歯茎の腫れ~

治療した歯の歯茎の腫れを主訴に来院する患者さんは非常に多くいます。

このような場合、問診だけで歯の状況をある程度推測すること可能です。

歯茎が腫れる原因の多くは

 ①根尖病巣(慢性根尖性歯周炎;根の先の炎症)

 ②歯の破折やクラック(ひび割れ)

 ③歯周病(慢性辺縁性歯周炎)

 ④穿孔(パーフォレーション;歯根に穴が開いている)

のいずれかです。

歯周病で歯茎が腫れる場合には、歯根を支える歯槽骨の吸収が進んでいるため、同時に出血や歯のぐらつき、動揺などの症状も伴います。当然ながら深い歯周ポケットも存在します。

歯の神経の治療のことを根管治療と言いますが、根管治療は非常に繊細で難しい治療であるため、日本の保険の治療で正しく行われていることはあまりありません。

根管治療が正しく治療されていないと、歯の内部でバクテリアが繁殖し、やがて根尖病巣を生じるようになります。

根尖病巣は、慢性化すると難治性の歯根肉芽腫や歯根嚢胞(しこんのうほう)へと進行するので、早期に治療を受ける必要があります。

初診時。歯茎の腫れを主訴に来院。他院で抜歯と宣告されたが、抜歯せずに治療できないかを相談にみえた。歯周ポケットが存在しないことから、歯周病は否定された。

初診時レントゲン。すでに根管治療がしてあるものの、根管充填が不十分。根尖(歯根の先端)から歯根分岐部(歯根の股の部分)にかけて、骨吸収による黒いレントゲン透過像を認める。歯根のクラックやパーフォレーションも疑われた。

診査を兼ねて根管治療を行うこととした。クラックやパーフォレーションは存在せず、根管治療で治癒する可能性が高いと判断した。

根管充填後。歯茎の腫れは消失し、疼痛や排膿、打診痛、咬合時痛などの症状が無いのを確認し根管充填を行った。根尖までしっかりと薬が詰まっているのが分かる。

治療後。ファイバーコアにて支台築造し、オールセラミッククラウンにて補綴(ほてつ)を行った。補綴に先立ち、全顎に対し歯周病治療としてSRP(ルートプレーニング)を行い、歯周組織の改善を同時に行った。

歯の治療、特に根管治療はやり直しが非常に多い治療です。

やり直しの治療は成功率が有意に下がるため、費用が掛かっても最初からきちんと治療を行った方がかえって治療費を抑えることができ、自分の歯を長持ちさせることが出来ます。

根管治療が必要になった場合には、経験豊富な歯科医師のもとで治療を受けることがとても重要です。

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歯髄壊死を放置すると、大きな根尖病巣に発展する!~歯髄壊死の治療はお早めに!~

大きな虫歯が出来ると、冷たいものや熱いものがしみたり、痛みを生じるようになります。

この状態を放置すると、歯髄(歯の神経)に細菌感染が生じ、やがて歯髄の活性が失われて壊死(えし:死んで)していきます。

歯髄が壊死すると、壊死物質やバクテリアが歯根の先端から漏れ出して、やがて歯槽骨を溶かして根尖病巣を形成していきます。

最初は小さな根尖病巣でも、時間が経つにつれ徐々に大きくなり、やがて難治性に発展します。

 

初診時レントゲン。歯冠部にコンポジットレジンによる大きなレントゲン不透過像(白い像)を認め、根尖部(歯根の先端)には根尖病巣によるレントゲン透過像(黒い像)を認める(矢印)。

 

根管内にファイルを挿入し、歯根の方向と長さを確認する。根尖病巣がかなり大きかったため、頻回の根管洗浄・消毒にも関わらず排膿が止まらず、歯茎の腫れや痛みを何度も繰り返した。

 

根管充填時レントゲン。根尖まで白い薬が緊密に充填されているのが分かる。痛みや違和感、排膿の消失に6か月もの長期間を要した。病状が悪くなってからの治療には、一般的に長期間を要するようになる。

 

根管治療5か月後。根尖部のレントゲン透過像(黒い像)がかなり縮小しており、治癒が進んでいることが分かる(矢印)。

 

初診時CT画像。根尖部に大きな黒いCT透過像を認める(矢印)。透過像は歯槽骨の破壊の大きさを示しており、親指の爪の大きさにも匹敵している。正確な診査・診断には、やはりCT撮影は欠かすことが出来ない。

 

治療5か月後。根尖部の黒いCT透過像が著しく縮小していることが分かる(矢印)。適切に根管治療が行われれば、難治性の根尖病巣であっても、破壊された歯槽骨は再生してくることが分かる。適切な根管治療を行うことが、歯の寿命を延ばし、抜歯のリスクを回避するために極めて重要となる。

 

歯髄壊死を生じた場合には、早期に適切な治療を受ける必要があります。

放置すると、歯の変色が酷くなるだけでなく、根尖病巣が大型化し難治性となって抜歯へと至ります。

歯を失わないためにも、早期発見・早期治療は重要なのです。

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4根を持つ上顎第二大臼歯の根管治療は、究極的に難しい!

上顎の第二大臼歯(一番奥の歯)の歯根は、通常3本である3根ケースが多く、3本のうちの2本がくっ付いて癒着した2根がそれに次いで多いです。

さらに3本とも癒着したもの、あるいは1本のものなど、バリエーションも豊富です。

しかしながら、時には4本の歯根を持つものもあります。

一般的に、1本の歯根の中には1~2本の根管(神経の管)があり、歯根の数が増えるほど根管治療の難易度は高くなります。

しかも、奥に行けば行くほど見えにくく、器具も届きにくくなるため、その難しさは想像をはるかに超えます。

これをきちんと正しく根管治療を行うためには、かなりのトレーニングと経験が必要になるのです。

 

初診時レントゲン。第二大臼歯を他院で治療をしたが痛みが治まらず来院。根管充填してあるが(白く写っている薬)、歯根の先端まで入っておらず不十分であることが分かる。根管治療は、再治療の方がさらに難易度が高くなる。レントゲン上では歯根は3本に見えるが、実際にはCT撮影にて4本の歯根を確認した。

 

根管治療後レントゲン。4根4根管の上顎第二大臼歯。再根管治療後、術前の痛みは完全に消失した。歯根の先端まで白い薬が緊密に美しく充填されていることが確認できる。このような治療をするには強い精神的緊張を伴い、術者も胃が痛くなることが度々。

(治療費:精密根管治療¥77,000、治療回数3回、治療によるリスク:根管治療の成功率は必ずしも100%ではありません。神経の無い歯は、将来的に歯根破折を起こすリスクが高くなります。メインテナンスをきちんと行わないと、虫歯が再発することがあります。)

 

歯の治療は、一般の方が考えている以上にとても難しい治療です。

正しい治療を行おうとすればするほど、手間も時間も、そして費用もかかります。

ですから、治療をしなくても済むように、日ごろのメンテナンスや定期的な検診がとても大切なのです!

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鼻の横を押すと痛む原因はこれだ!~犬歯の根尖病巣~

時々、鼻の横(鼻翼の付け根)を押すと痛みや違和感があるというケースがあります。

副鼻腔炎(上顎洞炎)でもそのような症状が出ますが、一番疑わしいのは上顎の前歯、特に犬歯の根尖病巣が疑われます。

上顎の犬歯の根尖(こんせん;根っこの先端)は、ちょうど鼻の横の辺りにあります。

したがって、犬歯に根尖病巣(こんせんびょうそう;根の先の炎症)が出来ると、顔の表面から指で少し強めに押すと痛みを感じるのです。

根尖病巣は、重度の虫歯や外傷による歯髄壊死(しずいえし)、不適切な根管治療(歯の神経の治療)などで生じます。

レントゲンを撮影して診査することで、鼻の付け根の痛みの原因が歯にあるのか否か、ほとんどが診断可能です。

 

初診時レントゲン。右の鼻の付け根を押したときの痛みを主訴に来院。右側上顎犬歯は神経を取ってあり、補綴物(被せ物)が装着してある(白いレントゲン不透過像)。根管治療が不十分で、歯根の先端に骨の吸収を疑わせる黒いレントゲン透過像を認める(根尖病巣)。

 

同部のCT画像。根管(根の内部)には白い根管充填材を認めるが、根尖(歯根の先端)まで詰まっておらず不完全な治療の状態であるのが分かる。根尖部には、根尖病巣による黒いレントゲン透過像を認める(矢印)。これが鼻の横を押したときの痛みや違和感の原因となる。この症状の改善には、根管治療を正しくやり直す必要がある。

 

ファイル(治療用の細い器具)を歯根の内部に挿入して、根管の長さと方向を確認しているところ。根尖までファイルが届いているのが分かる。

 

根管治療後。白い薬が歯根の先端までしっかりと緊密に充填されているのが分かる。適切な根管治療を行うことで、鼻の横の痛みは完全に消失した。

 

根尖病巣は、放置すると徐々に大きくなり、難治性になっていきます。

基本的に、様子を見ていても根尖病巣は治癒することはないため、治療は早めに行った方が得策でしょう。

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根管治療で分かる歯科医師の技量とモラル

現在、歯科医師は大学を卒業して国家試験に合格すると、厚生労働省の指定する臨床研修施設で1年間の研修が義務付けられています。

私が卒業した当時は、歯科医師のライセンスを取得すると、すぐに患者さんの治療をすることが出来ました。

しかし、卒直後の若い歯科医師にきちんととした治療が出来るはずもなく、治療説明も十分には出来ませんでした。

より高度な治療がしたいと思い、当時自由診療だけしかしていない歯科医院に勤務させていただきました。

その歯科医院では、多少の臨床経験があっても新卒と同様の待遇(治療はさせてもらえない)でしたし、指導は厳しいといわれました。それでも指導について来れるかと問われたのを、今でもはっきりと覚えています。

しかし、とにかく正しい治療を勉強したい一心で、その歯科医院の門を叩きました。

診療時は、とにかく院長先生の治療をへばりつくように近くで見学し、診療時間後には毎日深夜まで抜去歯牙を使って歯を削ったり、根管治療の練習をしていました。

今思えば、院長先生の周りを常に若い歯科医師が2~3人、歯科衛生士や歯科助手が2~3人取り巻いて見学していたので、患者さんもさぞ驚いたことでしょう。

それが可能だったのも、すべては患者さんの院長先生への絶大な信頼とカリスマ性によるものでした。

この日々が非常に充実していて、とても楽しかったのを覚えています。

 

ここでの治療で一番力を入れていたのは根管治療でした。

全ての歯の治療のメルクマールとなるのが根管治療で、これがきちんと出来れば他の治療も問題なく出来るという考えに基づいていました。

日夜、抜去歯牙を使って根管治療の練習をしては、レントゲンを撮って院長先生に見てもらい、厳しく指導をしていただきました。

それから20年以上経った今でも、ここでの根管治療に対する真摯な考えが、現在の診療の礎となっています。

「自分の家族にしても大丈夫な治療をしなさい!」

これが、私が勤務時に院長先生から言われた言葉であり、自分のした治療に納得がいかなければ、治療のやり直しをさせていただくこともありましたが(もちろん費用を頂かずに)、それを咎められたことは一度もありませんでした。

 

根管治療は、治療に要する手間や難易度の割に診療報酬が低く、保健診療において不採算部門の代表格となっています。

しかしながら、根管治療をきちんと行わなければ、いずれ歯根の先端に炎症を起こし、根尖病巣を生じてしまいます。

根尖病巣は無自覚のうちに大きくなることが多く、放置すれば歯は抜歯を余儀なくされます。

したがって、根管治療は歯を救う手段として極めて重要な治療なのです。

根管治療をしっかりと行えば、治療に時間がかかり経営を圧迫しますが、治療した歯は快適に長く機能することが出来ます。

ここに、歯科医師の技量とモラルの両方を見て取ることが出来ると教育されてきましたし、現在でもその思いに変わりはありません。

ですから、良くない根管治療を見るとすごく気分が悪くなるのです。

 

上顎前歯の初診時レントゲン。補綴(ほてつ;被せ物)が入っているが、根管には薬が全く見られず、根尖部には根尖病巣による黒いレントゲン透過像を認める。根管内部が腐敗していることは容易に推察される。患者さんのことを考えると心が痛む。

 

治療中のレントゲン。根管内にファイル(治療用の細い器具)を挿入し、根管の長さと走行を確認する。

 

根管充填後レントゲン。歯根の先端まで白い薬がしっかりと詰まっているのが分かる。根管治療が正しく行われれば、徐々に根尖部の破壊された骨は再生し、根尖病巣は治癒する。

 

根管治療は、患者さんが直接肉眼で確認できず、不具合も治療後すぐには表れないことが多いため、患者さん自身が治療の良否を判断することが非常に難しい治療です。

だからこそ、歯科医師の技量とモラルが問われる治療なのです。

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大きな根尖病巣でも、適切な根管治療を行えば治る!

歯科治療で頻度の高い根管治療。

根管治療は、歯の内部の、もともと神経のあった部分の治療のことを指します。

虫歯で痛みを生じるようになると、この神経を取らなければ痛みが取れません。

したがって、根管治療は虫歯治療の延長線上にあり、歯科治療の中ではとても頻度の高い治療です。

 

この根管治療は非常に繊細で難しい治療です。

歯の根っこである歯根の中には、もともと神経が入っている根管と呼ばれる管があります。

この根管は非常に細く、そしてしばしば湾曲しているため、きわめて繊細な手技が求められます。

治療に繊細さが欠けると、器具の破折を起こしたり、歯根に穴をあけたり(パーフォレーション)してしまうのです。

また、根管の内部をしっかりと清掃・消毒をし、隙間なく緊密に薬を詰めないと、後々内部で腐敗を起こし、歯根の先端に炎症を生じてしまいます(根尖病巣)。

 

初診時レントゲン。根管治療をしてクラウンを被せてあるものの、根管治療が正しく行われていないために歯根の先端部の骨が溶け、根尖病巣を生じている(黒い部分)。

 

根管の中にファイルと呼ばれる器具を挿入し、根管の長さと方向を確認しているところ。歯根の先端で器具がぴったりと止まっていることが分かる。

 

根管充填後。白いのが根管充填材(薬)。歯根の先端までしっかりと薬が詰まっているのが分かる。根管内部が適切に清掃・消毒され、隙間なく薬が詰められれば、ほとんどの根尖病巣は自然治癒する。抗生剤の内服だけでは、根尖病巣は根本的に治癒はしない。

 

根管治療5か月後、治療終了時。歯根の先端にあった黒いレントゲン透過像は完全に消失し、根尖病巣は治癒した。

 

根尖病巣が出来ているということは、被せてあったり、詰めてある歯の内部が腐敗していることを意味しています。

これを放置すると、根尖病巣が大きくなることはもちろん、歯の内部から虫歯が進行していずれ歯がダメになります。

したがって、痛みや歯茎の腫れが無かったとしても、根尖病巣のある歯は根管治療を正しくやり直す必要があるのです。

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歯が原因の上顎洞炎(歯性上顎洞炎)

上顎臼歯部の上部には、上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれる副鼻腔(鼻腔とつながる空洞)が存在します。

上顎臼歯に炎症が生じると、すぐ上方にある上顎洞に炎症が波及し、歯が原因の歯性上顎洞炎を継発することがあります。

上顎臼歯の炎症には、歯周病や歯根破折、虫歯に継発した歯髄壊死、根管治療の不良による根尖病巣などがあります。

いずれも、上顎洞の中にまで歯の炎症が波及すると、鼻閉、鼻汁、頭痛、頭重感、眼痛、頬部痛、噛むと痛い、振動で歯が響くなどの症状を生じます。

上顎臼歯部のCT画像。上顎第二大臼歯の歯髄壊死が原因の歯性上顎洞炎を認める。矢印の白くなっている部分が炎症部。

根管治療前の上顎第二大臼歯の根尖部。根尖部の炎症により骨が溶け、根尖と上顎洞の交通が見られる。上顎洞内には明らかな白い病変が見られる(矢印)。

 

上顎第二大臼歯の根管治療を行った。適切な根管治療を行うことで、根尖病巣は治癒し、上顎洞炎も顕著に改善しているのが分かる(矢印)。

根管治療後、補綴(ほてつ;被せる処置)を行った。根尖病巣は治癒し、上顎洞内部の白い病変が消失しているのが分かる(矢印)。

 

鼻閉や鼻汁、頬部痛、眼痛、咬合痛などで耳鼻科を受診すると、歯が原因といわれることが少なくありません。

反対に、上顎の奥歯に痛みがあって歯科を受診すると、鼻が(上顎洞)原因なので耳鼻科を受診するように説明することがあります。

上顎臼歯部は、歯科と耳鼻科の領域が重なっていることから、このようなことが生じます。

鼻が原因の時に歯を治療してはいけませんし、歯が原因なのに鼻の治療(多くは投薬)をしても根本解決にはなりません。

したがって、この部位は特に診断が重要なのです。

CTによる診査は必須でしょう。

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歯髄壊死から継発する根尖病巣~大きな虫歯は歯髄壊死を惹起する~

虫歯が大きく歯髄(しずい;歯の神経)に近くても、あるいは虫歯を削って歯髄がわずかに露出(露髄という)しても、痛みや強い、しみるなどの症状が無ければ、歯髄をMTAセメントや水酸化カルシウムなどの薬剤で保護し、歯髄を取らずに保存することが望ましいです。

歯髄は歯に栄養を送っているため、歯髄を取り除くと歯に栄養供給がされなくなり、歯が破折したりひび割れ(クラック)を生じたりするリスクが高くなります。

歯が破折やひび割れを起こすと、治療によって歯を残すことが出来なくなり、抜歯の適応となります。

つまり、歯髄を取ると、将来抜歯になるリスクがかなり高くなるのです。

 

しかしながら、深い虫歯になった歯の歯髄を温存して治療をすると、知らず知らずの間に歯髄が炎症を起こし、ついには壊死(えし;自然死)してしまうことも珍しくはありません。

歯髄壊死になると、歯の変色や歯茎の腫れとして発見されることが臨床上多いです。

歯髄壊死を放置すると、歯根の先端に根尖病巣(こんせんびょうそう;慢性根尖性歯周炎)という炎症が起こり、歯根を支えている歯槽骨が溶けてしまいます。

根尖病巣が大きくなると、やはり歯を残せなくなる可能性が高くなります。

これらのことから、歯の歯髄を温存するか取り除く(抜髄)のかを判断するのは、非常に難しいのです。

 

上顎前歯の審美障害。歯茎の腫れを繰り返すものの、そのたびに歯茎の切開を繰り返していた。

 

右側上顎中切歯(真ん中の歯)の歯冠部には、虫歯治療による大きな白い充填の痕(コンポジットレジン充填)があり、歯根の先端には黒いレントゲン透過像を認める。虫歯治療に継発した歯髄壊死、根尖病巣と診断した。必要な治療は根管治療であり、切開を行っても治癒することはない。

 

根管の中にファイルを挿入し、歯根の長さと方向を確認。やはり歯髄は壊死していた。根管の中を完全に清掃消毒して極力無菌化を図る。

 

根管充填後。白く写っているのが薬。歯根の先端まで隙間なく緊密に充填されているのが分かる。根尖病巣の多くは、適切に根管治療を行うことで治癒する。

 

上顎4前歯をオールセラミッククラウンで補綴(ほてつ;被せること)した。歯茎の炎症もなく、明るく美しい口元になった。

 

歯髄壊死は症状が出にくいため、発見が遅れがちです。

歯髄壊死を起こしてから時間が経つと、歯の変色が強くなったり、根尖病巣が大きくなったりします。

根尖病巣は、大きくなるにつれ、また経過が長いほど難治性になります。

歯髄壊死を指摘されたら、早めに治療をお受けになることをおすすめします。

 

 

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歯髄壊死による根尖病巣~歯の変色と歯茎の腫れは歯髄壊死のサイン~

大きな虫歯や、歯のマイクロクラック(ひび割れ)、虫歯の治療後、あるいは外傷で歯を強くぶつけたりすると、歯の色が暗く変色を起こしたり、歯茎にニキビのような腫れ(フィステルという)が生じたりすることがあります。

歯の中には、歯髄(しずい)と呼ばれる歯の神経があり、虫歯やその治療、あるいは外傷などによって、歯髄が自然死してしまうことがあり、これを歯髄壊死(しずいえし)と呼んでいます。

虫歯に継発する歯髄壊死は、はじめ冷たいものや熱いものにしみる症状を呈しますが、徐々に症状は消失します。

このため、歯髄壊死の発見は遅れ、結果として歯の変色や歯茎の腫れで異変に気が付くことが多いのです。

歯髄壊死が放置されると、歯根の先端の歯槽骨が徐々に溶け、根尖病巣(こんせんびょうそう)を生じます。

 

虫歯治療後の歯髄壊死による根尖病巣のレントゲン像。根尖(歯根の先端)に黒い骨吸収像を認める。歯冠部(歯の部分)には白く大きなコンポジットレジン(白いプラスチック)が充填されているのが分かる。典型的な虫歯治療後の歯髄壊死に継発した根尖病巣。

 

ファイルと呼ばれる治療器具を根管の中に入れ、歯根の方向と長さを確認する。根管治療では、内部の腐敗した組織とバクテリアを完全に除去・洗浄し、極力無菌的にすることを目指す。歯髄壊死してからの経過が長いほど、治癒にも時間がかかり、治療も長期化する傾向がある(治療期間や回数)。

 

根管充填後。白く写っているのが根管充填材(根管内に入れる最終的な薬)。根尖まで隙間なく緊密にしっかりと詰めてあるのが分かる。レントゲン像で骨の再生を認めるまでには、一般的に数か月を要する。根管充填は、主にガッタパーチャと呼ばれるゴム状の樹脂と糊剤(練り薬)が使用されることが多い。

 

根管治療6か月後。根尖(歯根の先端)にあった根尖病巣(黒い大きな骨吸収像)はかなり縮小し、治癒傾向を認める。適切な根管治療を行うことによって、根尖病巣はそのほとんどが治癒する。

 

根管治療は、きちんと行わないと根尖病巣が治癒せず、病巣がますます大きくなって歯を失うことになります。

歯髄壊死が疑われたら(歯の変色や歯茎の腫れ)、速やかに信頼のできる歯科医院で診査をお受けになることをおすすめします。

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歯髄壊死に継発した根尖病巣と、歯の変色~根管治療とウォーキング・ブリーチ~

前歯の変色を主訴にお見えになる患者さんは少なくありません。

最近、特に多いのが、歯髄壊死(しずいえし)後の歯の変色です。

歯髄壊死とは、歯の中にある神経(これを歯髄という)が何らかの原因で死んでしまう(壊死)ことを指します。

原因の多くは、深い虫歯や虫歯治療後、外傷により(多くは歯を強くぶつけることによる)歯の打撲や脱臼、歯のクラック(ひび割れ)、咬合性外傷(過大な噛み合わせ)、重度の歯周病、深いくさび状欠損(歯と歯茎の境目の窪み)、稀に矯正治療によるものなどがあります。

 

多くの場合、変色する以前に、歯に痛みやしみるなどの症状があったと思われます。

しかし、様子を見ているうちに痛みやしみる症状が無くなったため気にも留めずにそのまま放置し、気が付いたら歯の色が暗く(茶色く)なってしまったというパターンが多いようです。

 

初診時。右側(向かって右)の上顎前歯の変色を主訴に来院。歯髄壊死による歯の変色が疑われる。診査・診断のためにレントゲン撮影を行う。

 

初診時レントゲン像。歯と歯の間に大きなレジン(白い詰め物)が充填されており、歯根の先端に黒く大きなレントゲン透過像を認めた。歯髄壊死による典型的な根尖病巣。臨床的には、変色以外の症状(腫れや痛みなど)はまったくない。きちんと根管治療を行わないといずれ抜歯になる。

 

根管の中にファイル(針状の治療器具)を挿入し、歯根の長さと方向を確認しているところ。ファイルが歯根の先端までピッタリと届いているのが分かる。根尖病巣が大きいため、数回根管治療を行い、十分に清掃・消毒を行う。

 

根管治療終了時レントゲン。歯根の先端までしっかりと緊密に白い薬が入っているのが分かる。歯根の先端にある根尖病巣によるレントゲン透過像は数か月単位で徐々に小さくなっていくので、定期的にレントゲンによる診査を行う、経過を追う。薬がしっかり入っていないと、ウォーキング・ブリーチの際に薬剤が漏れ出して、歯根吸収(外部吸収)を起こすリスクが高くなるので注意が必要。

 

ウォーキング・ブリーチ後。暗かった歯の色は、歯を被せることなくきれいに漂白された。何よりも、根管治療をきちんと行うことが、歯を永く持たせるためには重要。

 

ウォーキング・ブリーチが適応か否かは、残っている自分の残存歯質の量によって、また歯の変色の程度によって決まります。

あまりにご自身の歯が薄い場合や、歯の変色が極端に強い(黒すぎる)場合には、セラミッククラウンによる治療が望ましいでしょう。

いずれにしても、まずは担当の先生にどのような治療方法が最善か、ご相談してみると良いでしょう。

 

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日付:  カテゴリ:コラム, ホワイトニング, 根管治療

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