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カテゴリ: コラム

インビザラインなどのマウスピース矯正の予後不良例が増えている!~治療は適材適所が重要~

コロナ禍になってから、矯正治療を希望する患者さんが増えているようです。

社会全体がマスク生活になり、口元が目立たない今のうちに歯並びを治しておきたいと考える患者さんが増えているためと考えられます。

そして、矯正治療の中でも歯にブラケットなどの矯正装置を装着しないで歯並びをきれいにできるマウスピース矯正が流行っています。

確かに、マウスピース矯正は患者さん自身で装置を自由に脱着できますし、歯磨きもしやすく、装置を装着していても目立ちにくいメリットがあります。

しかしながら、マウスピース矯正には適応症があります。

軽度の前歯の叢生(乱杭歯、凸凹、クラウディング)やすきっ歯(空隙歯列)はマウスピース矯正の適応となりうるでしょう。

噛み合わせの改善を行う必要がある場合(上顎前突、下顎前突、ディープバイト、過蓋咬合)や抜歯矯正などはマウスピース矯正には向いていません。

つまり、多くの歯列不正はマウスピース矯正で治すことは難しいと言えます。

 

マウスピース矯正では、最低でも1日20時間以上のマウスピースの装着が必要といわれています。

長時間かつ長期間マウスピースを装着していると、奥歯は咬み合わせる力で圧下し(沈み込む)、徐々に噛み合わなくなります。

このようなことを、スプリント(マウスピース)を使用した多くの咬合治療で見てきました。

 

マウスピース矯正は、矯正歯科医でない一般歯科医でも治療を手軽に始める傾向にあります。

歯型の型取りをすると、コンピューター上で歯並びをシミュレーションし、マウスピースを作ってくれるため、歯科医師がすることはほとんどないと思われていますが、矯正治療はそんなに簡単ではありません。

マウスピース矯正による噛み合わせの不具合は、ワイヤー矯正による修正が必要になる場合があるため、ワイヤー矯正をきちんとできる歯科医の下で行うことが必須です。

したがって、マウスピース矯正をする場合には、最終的にワイヤー矯正に移行して噛み合わせをきちんと噛ませることが必要になると治療当初から考えていた方が無難でしょう。

神田の歯医者 神田デンタルケアクリニック

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根管治療におけるファイル破折片の除去

根管治療では、ファイルやリーマーと呼ばれる針状の非常に細い器具で根管の中を清掃・拡大します。

歯の神経の入った根管は非常に細く、また湾曲していることが多いため、稀にファイルやリーマーが金属疲労で破折してしまうことがあります。

もちろん、治療はとても慎重に行いますが、それでも破折を起こすことがあります。

 

初診時レントゲン。右側下顎第一大臼歯の被せ物(クラウン)は外れており、虫歯と根尖病巣を認める。近心根にはファイル破折片を認める(矢印)。根尖病巣を認めるため、可能であれば破折ファイルを取り除きたいケース。

 

根管治療中。古い根管充填剤(白く写っている薬)と取り除き、近心根にあったファイル破折片を超音波にて除去した。これで根管の先端まで完全に清掃・消毒することが出来る。

 

根管充填後。症状緩解後、バイオセラミックシーラーとガッタパーチャポイントによる根管充填を行った。歯根の先端までしっかりと根管充填されているのが分かる。

 

根管にきつく食い込んだファイルや、湾曲した根管で破折しているファイルは取り除くことが出来ない場合が多いです。

無理に取り除こうとすると、新たにファイルを折り込んだり、本来の根管と違うところに穿孔(パーフォレーション)を起こすリスクが高いです。

根尖病巣が無く、根管内に残っているファイルが感染源になっていないと判断されるものは、必ずしも取り除く必要はありません。

あくまでも、歯の寿命を考慮した診断と治療計画が重要となるのです。

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虫歯治療のあとに痛みや歯茎が腫れる原因はこれだ!~歯髄壊死~

虫歯治療を受けた後に、歯が強くしみたり、痛みや咬合痛、歯茎の腫れを生じることがあります。

視診で歯の神経(歯髄)まで虫歯が到達していない場合でも、不顕性露髄(ふけんせいろずい)や虫歯治療の刺激で歯髄炎(しずいえん)が生じることがあります。

不顕性露髄とは、一見虫歯が歯の神経に到達していないように見えるものの、感染歯質が歯髄にまで達しており、歯髄の細菌感染が生じている状態を指します。

歯髄炎は徐々に進行し、やがては歯の神経が死んでしまいます。これを歯髄壊死(しずいえし)と呼びます。

患者さんは、虫歯治療をした歯が痛むということは理解できないかもしれません。

しかしながら、実際の臨床では虫歯治療後に痛みを生じることはしばしば遭遇します。

これは、歯髄をなるべく温存したい、神経を取りたくないという歯科医師や患者さんの思いによるものです。

例え、もともと痛みや症状のない虫歯であったとしても、深い虫歯の治療後には、歯髄炎を惹起する可能性は常に存在するのです。

これは、例えMTAセメントなどを使ったとしても、避けることは出来ません。

したがって、当院では術前に虫歯が深いと判断したら、根管治療が必要になる可能性を予め説明するように努めています。

 

初診時。下顎左側第一大臼歯の痛みと歯茎の腫れを主訴に来院。歯には咬合痛と動揺も存在する。歯には大きな銀歯が詰めてある。

 

初診時レントゲン。虫歯治療で大きな詰め物が装着してあり、深い虫歯があったことがうかがえる。歯根の周りは骨吸収が起こり、歯髄壊死から継発した根尖病巣を生じている。根管治療が必要な状態。

 

根管治療中。ファイルを根管に挿入し長さと方向を確認。

 

根管治療後レントゲン。根管内を完全に清掃拡大・洗浄し、痛みや歯茎の腫れが消失したことを確認後、根管充填を行った。歯根の先端まで薬がしっかりと詰まっていることが分かる。

 

治療後。根管治療後、オールセラミッククラウンにて歯冠補綴を行った。痛みと歯茎の腫れは完全に消失し、しっかりと噛めるようになった。審美性も非常に良い。

 

虫歯が大きく、深くなってしまうと、例え痛みが無くても歯髄炎や歯髄壊死を生じるリスクが高まります。

このようなことにならないためには、定期的な検診により、早期発見と早期治療が重要です。

しかしながら、もっとも重要なことは、虫歯にならないように常日頃からセルフケアをしっかりと行うことです。

甘い飲食物が氾濫している現代では、歯ブラシだけでは虫歯や歯周病は予防は出来ません。

必ずデンタルフロス(糸ようじ)を併用することをおすすめします。

 

治療期間:2か月

治療費:精密根管治療¥77,000

ファイバーコア¥22,000

オールセラミッククラウン¥110,000

治療上のリスク:根管治療の成功率(治癒率)は100%ではありません。根管治療中は一時的に痛みや歯茎の腫れを生じることがあります。

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根管充填に使用する薬剤について(根の中に詰める最終的な薬)

根管治療は、歯の神経の治療のことです。

虫歯が深く大きくなり、歯の神経(歯髄;しずい)にまで達すると、強くしみたり、痛みを感じるようになります。

さらに、深く大きな虫歯を放置すると、歯の神経が死んで(壊死;えし)腐敗してしまいます。

また、一度根管治療を終えた歯でも、根管治療が適切にされていないと、歯根の先端に炎症が生じ、慢性根尖性歯周炎(根尖病巣、歯根肉下種、歯根嚢胞など)を引き起こします。

このような場合にに根管治療が必要になります。

 

根管治療では、歯根の中になる根管と呼ばれる非常に細い神経の管(根管)を完全に機械的に拡大し、EDTAや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬液にて十分に洗浄し、内部のバクテリアや腐敗した歯髄組織、プリデンティン(象牙前質:幼弱な象牙質)などを徹底的に取り除きます。

清潔になった根管は空洞となり、このままでは再びバクテリアの温床になるため、根管を薬剤にて完全に密封する必要があります。

この作業を根管充填(こんかんじゅうてん)と呼びます。

 

根管充填で使用される薬剤(根管充填剤)には、ガッタパーチャと呼ばれる樹脂様のものとシーラーと呼ばれる練り薬で、多くの場合このガッタパーチャとシーラーを併用して根管充填を行います。

シーラーには多くの種類が存在し、酸化ユージノール系、非ユージノール系、レジン系、シリコン系、水酸化カルシウム系、ケイ酸カルシウム系(MTA)などがあります。

それぞれ特徴や薬効が異なり、ケースにより使い分けをします。

根管充填剤のシーラーとして近年注目されているのは、生体親和性が非常に高く、強アルカリ性で抗菌性を維持できるバイオセラミックスです。

その特徴は

●PH11~13と強アルカリで抗菌性がある

●硬化時にわずかに膨張するため、緊密な充填が可能

●レジン成分やビスマス、ユージノールなどを含まず、生体適合性が高い

 

当院では、精密根管治療にBRASSELER USA社のEndoSequence BC SealerおよびAngelus Japan社のBio-C Sealerを使用しています。

他の種類のシーラーと比べて根管充填後の痛みは少なく、予後は非常に良好です。

ただし、健康保険の非適応で非常に高価な薬剤となります。

 

BRASSELER USA社のEndoSequence BC Sealer

 

Angelus Japan社のBio-C Sealer

 

バイオセラミックスであるEndoSequence BC Sealerによる根管充填。根尖まで緊密な充填がなされている。

 

最善の治療を行うためには、適材適所で最適な材料や薬剤を使用することが必要です。

多少コストがかかりますが、より良い予後を得るためには、そして歯を長く持たせるためには、何より健康には代えられません。

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根管治療のよくある質問「保険と自費は何が違うのですか?」

根管治療での質問でとても多くいただくものに「保険と自費の根管治療は、何が違うのですか?」というものがあります。

結論から言うと、「何もかもまったく違う」とお答えします。

 

まず、大前提として、虫歯や根管治療などの歯の治療は、基本的には技術的な介入が必要な外科的処置です。

技術・手技の良否が、治療の予後に決定的な影響を与えます。

特に歯の神経の治療である根管治療は、歯の治療の中でも技術的に最も難しい治療のひとつなのです。

保険の治療では、治療したこと自体が保険点数として評価され、治療の内容はまったく勘案されません。

しっかりと治療をしても、そうでなくても、保険点数の評価は同じです。

しっかり治療をしようと思えば、当然、時間がかかりますし、器具や薬剤などのコストもかかります。

したがって、しっかりやってもやらなくても評価が同じとなると、結果は低きに流れてしまうのです。これは人間の相と言えるでしょう。

この点、自費の根管治療では、治療の技術、内容がまったく異なるのです。

根管の拡大、洗浄、消毒から薬剤の充填にいたるすべての治療工程において、妥協をせずに治療を行います。

治療にかかる時間、使用する薬剤などの制約は一切ありません。

より良い予後を得るために、あらゆる手段・手技を講じる、これが自費の根管治療なのです。

 

初診時レントゲン。歯の神経が取って被せてあるものの、根管治療は不十分で、歯根の中に薬がまったく入っていない。幸い根尖病巣は存在しない。このような治療でも、健康保険では診療報酬が満額支払われる。歯根の内部に黒い空洞が存在していることから、内部には多量のバクテリアや腐敗物質が存在している疑いが強い。

 

ファイル(治療用の器具)を試適し、根管の長さや湾曲を確認する。根管内が石灰化していたが、歯根の先端まで無事穿通できた。

 

根管充填後。歯根の先端までしっかりと緊密に白い薬が詰まっているのが分かる。これで安心して歯を被せることが出来る。

 

多くの患者さんが誤解しているのが、CTやマイクロスコープです。

これらを使う治療が自費治療で、使えばきちんと治療ができているだろうというものですが、それは幻想にすぎません。

これらを使用して治療をしたものの、根管に薬がきちんと詰まっていないケースも多く見ます。

治療器具は、術者がどう使うかということが重要であり、正しい診断、正しい技術があってはじめて高度な根管治療が可能となるのです。

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上顎前突(出っ歯)の抜歯矯正治療

出っ歯のことを、歯列矯正では上顎前突と呼びます。

上顎前突は、下顎に歯列に対して上顎の歯列が前に出ている歯並び・歯列不正のことです。

上顎前突は、見た目の悪さが目立ちますが、それ以外にも口唇が閉じにくい、外傷を受けやすいなどのデメリットがあります。

上顎前突の矯正治療は、上の前歯を内側に入れるために、通常上顎の第一小臼歯(4番)を左右抜歯し、できた隙間に前歯を下げていきます。

噛み合わせにの状況によっては、下顎の小臼歯を2本抜歯することもあります。

これは、上下の歯の数が異なると、理想的な咬合関係を築くことが困難なためです。

しかしながら、抜歯を最小の本数にする方法として、上顎の小臼歯だけを抜歯する治療計画は一般的によく行われています。

 

治療前。上顎の前歯の突出の改善を主訴に来院。上顎前歯の前方への突出が著しい。また下顎の前歯が上顎の歯茎を噛んでおり、過蓋咬合(ディープバイト)を呈している。上顎前歯の後方移動と過蓋咬合の改善が必要な症例。臼歯部の上下の咬合関係は完全な2級咬合(下顎遠心咬合)であるため、上顎の左右の第一小臼歯だけを抜歯する計画とした。

 

矯正治療後。上顎の小臼歯を抜歯したスペースを利用することで、上顎前歯が内側にきれいに並んでいることが分かる。過蓋咬合も改善し、個性正常咬合を確立した。上下の歯の数が異なる変則抜歯のケースでは、抜歯本数を最少に出来るものの、下顎第二大臼歯(一番奥の歯)は噛み合わせにあまり参加できない欠点もある。治療計画は、総合的に最善な結果が得られるよう立案し提案することが重要。

 

治療期間:1年2か月

治療費用:¥960,000

治療のリスク:矯正治療は歯肉退縮や歯根吸収を起こすことがあります。また、治療後は保定を適切に行わないと、後戻りを起こすことがあります。

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治療した歯の歯茎が腫れるのはなぜか?~根尖病巣による歯茎の腫れ~

治療した歯の歯茎の腫れを主訴に来院する患者さんは非常に多くいます。

このような場合、問診だけで歯の状況をある程度推測すること可能です。

歯茎が腫れる原因の多くは

 ①根尖病巣(慢性根尖性歯周炎;根の先の炎症)

 ②歯の破折やクラック(ひび割れ)

 ③歯周病(慢性辺縁性歯周炎)

 ④穿孔(パーフォレーション;歯根に穴が開いている)

のいずれかです。

 

歯周病で歯茎が腫れる場合には、歯根を支える歯槽骨の吸収が進んでいるため、同時に出血や歯のぐらつき、動揺などの症状も伴います。当然ながら深い歯周ポケットも存在します。

 

歯の神経の治療のことを根管治療と言いますが、根管治療は非常に繊細で難しい治療であるため、日本の保険の治療で正しく行われていることはあまりありません。

根管治療が正しく治療されていないと、歯の内部でバクテリアが繁殖し、やがて根尖病巣を生じるようになります。

根尖病巣は、慢性化すると難治性の歯根肉芽腫や歯根嚢胞(しこんのうほう)へと進行するので、早期に治療を受ける必要があります。

初診時。歯茎の腫れを主訴に来院。他院で抜歯と宣告されたが、抜歯せずに治療できないかを相談にみえた。歯周ポケットが存在しないことから、歯周病は否定された。

 

初診時レントゲン。すでに根管治療がしてあるものの、根管充填が不十分。根尖(歯根の先端)から歯根分岐部(歯根の股の部分)にかけて、骨吸収による黒いレントゲン透過像を認める。歯根のクラックやパーフォレーションも疑われた。

 

診査を兼ねて根管治療を行うこととした。クラックやパーフォレーションは存在せず、根管治療で治癒する可能性が高いと判断した。

 

根管充填後。歯茎の腫れは消失し、疼痛や排膿、打診痛、咬合時痛などの症状が無いのを確認し根管充填を行った。根尖までしっかりと薬が詰まっているのが分かる。

 

治療後。ファイバーコアにて支台築造し、オールセラミッククラウンにて補綴(ほてつ)を行った。補綴に先立ち、全顎に対し歯周病治療としてSRP(ルートプレーニング)を行い、歯周組織の改善を同時に行った。

 

歯の治療、特に根管治療はやり直しが非常に多い治療です。

やり直しの治療は成功率が有意に下がるため、費用が掛かっても最初からきちんと治療を行った方がかえって治療費を抑えることができ、自分の歯を長持ちさせることが出来ます。

根管治療が必要になった場合には、経験豊富な歯科医師のもとで治療を受けることがとても重要です。

治療期間:2か月

治療費:精密根管治療¥77,000

    ファイバーコア¥22,000

    オールセラミッククラウン¥110,000

治療上のリスク:根管治療の成功率(治癒)は100%ではありません。根管治療中は一時的に痛みや歯茎の腫れが生じることがあります。

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銀歯が目立って気になる方必見!~セラミックによる審美歯科治療~

保険の歯の治療で一般的な銀歯。

銀歯はパラジウムを主体とした合金で、そのイオン化傾向の高さによる金属アレルギーのリスクから、ドイツをはじめとした医療先進国では歯の被せものや詰め物での使用は禁止されています。

また、金銀パラジウム合金は硬度が高く延びが悪いため、噛み合わせの馴染み、歯との適合性(フィット)が良くありません。

これが、歯の持ちに影響を及ぼします。

もちろん、見た目の悪さも見逃せません。

 

初診時口腔内。銀歯の詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)の審美的改善を主訴に来院。上下左右の臼歯部(奥歯)に多数の銀歯を認める。歯との適合性が悪く、2次的なカリエス(虫歯)を生じている。審美性も著しく悪い。歯周病治療、精密根管治療などをきちんと行った上で、セラミックによる審美修復を行う。

 

治療後。すべての銀歯を外し、セラミックによる審美修復を行った。口腔内は明るく本来の美しさを取り戻した。多数歯の治療を行う場合は、噛み合わせの状況を十分に考慮し、計画的に治療を行うことが極めて重要。多数歯の治療では、噛み合わせが悪くなるリスクをはらんでいるので細心の注意を要する。

 

銀歯を白いセラミックやコンポジットレジンなどの材質に交換することは、それほど難しいものではありません。

しかしながら、虫歯や根管治療などの内部の治療、そして歯周病の治療など、歯の基礎となる治療をしっかり行うことが、より重要と言えます。

このような治療をしっかりしていないと、詰めたり被せたりしたものを短期間のうちに外さなければいけなくなる可能性が高いからです。

そして、多数歯の治療を同時行う場合で極めて重要なのが、歯の噛み合わせです。

歯の噛み合わせは、高さがわずかでも高いと患者さんは違和感を訴えるため、歯の治療を行うと低くなりがちです。

左右の高さの違いや噛み合わせの不調和は、肩こりや首こり、頭痛、顎関節症などの原因になります。

せっかく歯をきれいにしても、身体が不健康になってしまっては意味がありません。

機能的にも審美的にも良好な結果を得るためには、治療計画、治療戦略がきわめて重要と言えるでしょう。

 

治療費:セラミッククラウン(奥歯)¥110,000、セラミックインレー¥66,000

リスク:歯のメンテナンスを怠ると虫歯の再発を起こすことがあります。セラミックは歯ぎしりや食いしばり、食事の影響で欠けることがあります

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上顎前突(下顎遠心咬合)の抜歯矯正の治療例

上顎前突とは、上の歯が下の歯に対して前方に出ている歯列不正です。

つまり、上顎の歯列に対し下顎の歯列が後方にずれている状態を差し、下顎遠心(えんしん;後ろという意味)咬合ともいわれます。

出っ歯は、まさにこの上顎前突、下顎遠心咬合の状態のことです。

上顎前突では、上顎前歯を内側に入れる治療を目標にします。

通常、歯列に隙間は無いことから、上顎前突の場合には小臼歯を便宜抜歯しての矯正治療が最もスタンダードになります。

上顎前突の程度が軽かったり、歯列の後方(奥)にスペースがあれば、矯正用インプラントを使用し、非抜歯での治療が可能な場合もあります。

上顎前突の場合、抜歯か非抜歯可能判断で重要となるのが、側貌(横顔)の美しさの指標となるE-line(エステティックライン)です。

E-lineは、顔を横から見たときに、鼻の先端とオトガイ(下唇の下)の再突出部を結んだ 線のことです。

日本人では、下唇がこのE-line上もしくはやや後方であると最も側貌が美しいと考えられています。

したがって、口腔内、レントゲン、歯列模型、顔貌などを総合的に分析して、抜歯か非抜歯かを最終決定することが重要となります。

 

初診時口腔内。上顎前歯部の凸凹を主訴に来院。側貌は上下口唇がほぼE-line上にあるものの、上顎歯列が下顎歯列に対して前方にあり、2級咬合(下顎遠心咬合、上顎前突)を呈する。上顎前歯部のクラウディング(叢生)が強く、下顎歯列に大きな不正は見られない。非抜歯矯正では上顎前歯が前方に突出して出っ歯になってしまい、美しい側貌が損なわれるケース。上顎の左右第一小臼歯だけを抜歯して矯正治療を行う方針とした。

 

矯正治療後。上顎前歯の凸凹は改善し、左右対称の美しい歯列になった。抜歯矯正において、上下の犬歯の咬合関係は極めて重要となる。上顎はクリアリテーナー(マウスピース)、下顎はFixリテーナー(ワイヤー)で保定を行った。矯正治療後も、美しい口元は保たれている。

 

矯正治療は、見た目の歯並びだけでなく、顔貌の美しさ、舌房の広さ、良好な噛み合わせなどを総合的にバランスの取れた状態にすることが重要と言えるでしょう。

治療に際して、不安なことがあればいつでも遠慮せずに担当の先生にご相談しましょう。

治療期間:1年6か月

治療費:矯正治療基本料 ¥880,000

治療に伴うリスク:治療期間は歯列不正の程度により異なります。矯正治療では歯の移動に伴って歯根吸収が生じることがあります。矯正治療後は、適切に保定を行わなないと、後戻りを起こすことがあります。

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保険の差し歯の審美修復~オールセラミッククラウン~

保険の差し歯は、白い部分がレジンというプラスチックでできているため、経時的に摩耗したり、透明感を失って変色していきます。

また、金属の裏打ちのある差し歯は、歯茎の退縮とともに、歯と歯茎の境目が黒く見えるブラックマージンという状態になります。

現在では、CADCAM冠という金属を使わない硬質レジン冠が保険適応となっていますが、レジンは強度と耐摩耗性に問題があるため、外れたり、欠けたり、摩耗して、中長期的には咬合状態が悪くなる可能性が高いです。

したがって、白い歯を入れる場合、特に前歯部ではオールセラミッククラウンが審美的、機能的、強度的に最適でしょう。

 

初診時。上顎前歯の審美性の改善を主訴に来院。上顎4前歯の部分に保険の差し歯が入っている(矢印)。差し歯がぴったりと入っていないため、歯茎が赤く腫れて炎症があり、歯と歯茎の境目は黒ずんでいる(ブラックマージン)。まずは、ブラッシングの徹底と歯周病の治療を行う必要がある。根管治療がきちんとしていない場合には、再根管治療をしっかりと行う。

 

治療後。歯周病治療後に精密根管治療を行い、オールセラミッククラウンにて修復した。歯茎の炎症が引き、赤紫だった歯肉はきれいな炎症の無いピンク色になっているのが分かる。セラミックと歯茎の馴染みは非常に良い。

 

歯の治療では、使用する材料の特性により、歯の持ちや審美性は異なります。

また、どんなに高価な歯を入れても、日頃のメンテナンスを疎かにしてしまうと、良い状態を保つことが出来ません。

したがって、治療をする場合には治療の初めにイニシャルコストをしっかりかけ、治療後はきちんとセルフケアをすることが、歯を良い状態で長く持たせるために重要といえるでしょう。

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